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【チェアマンズスプリントプライズ2024】レース展望 マッドクールが歴史に穴開ける!

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ウマニティ会員の皆さん、こんにちは。ドバイワールドカップ以来一カ月ぶりのごあいさつになります。香港は今年すでに数回訪れていますが、この4月は香港通い40年、初めての異常気象に遭遇し、21日の到着以来腰を抜かしているところです。

本来なら4月の香港は日本でいえば梅雨明けから夏に差し掛かかる初夏から盛夏に向かう暑さを楽しむべき時なのですが、今年は隣接する広東省が先週から百年に一度の豪雨に見舞われ、死者行方不明者多数を出す緊急事態。ここ香港でも先週から豪雨に見舞われ、今日26日まで一日たりとも雨に見舞われない日がないのです。

25日(木)はチャンピオンズデーのG1 3レースに挑戦する日本勢8頭が初めて芝コースに一堂に会し、最終調整を行いましたが、これも豪雨の下で各陣営ずぶ濡れになりながらの厳しいものとなりました。
クイーンエリザベスⅡC出走のノースブリッジ追い切りから下馬した岩田康誠騎手は下着まで水浸し。タオルで体をぬぐいながら筆者の隣で朝食を掻きこみ一言。
「これまでこんなことあったん?」

あるはずなどありません。百年に一度の異常気象なのですから。今年の香港チャンピオンズデー最大の鍵は天の時、地の利、人の和。天気と馬場状態、そして出走関係者にあります。
3レースの中でこの勝利の3条件を満たせられる日本馬はチェアマンズスプリントプライズマッドクールが8頭中最上位と見ました。



写真/HKJC

天の時、すなわちレース当日までの天候ですが降水確率75~95%。おまけに1週間以上降り続けていますから、いくら水捌けの良いシャティン競馬場とはいえ良馬場など望むべくもなく重馬場は必至。26日朝、馬場管理責任者と勝ち時計に関して話をしましたが、パンパンの良馬場より時計2つから3つは遅くなるだろう、と一致しました。

マッドクールは前走高松宮記念でG1ウィナーの地位を得ましたが、ご存じのように重馬場。これまで重馬場では2戦2勝と重の鬼と言って差し支えありません。マッドの父Dark Angelは欧州産スプリンターでスピードよりもパワータイプ。欧州スプリンター血統はこれまで日本の軽い馬場で成功を収めることがほとんどありませんでした。そして今年のチェアマンズスプリントは重馬場必至、地の利も揃います。勝ち時計は前走高松宮記念の重馬場1分8秒9よりもさらにかかって1分10秒を切るか切らないか。マッドには最適の時計になります。

さて最後の人の和ですが、これまでマッドに7回騎乗して5勝3着2回の坂井瑠星フォーエバーヤング帯同のケンタッキーから香港に舞い戻ってくるのです。坂井瑠星がどれだけこの馬にほれ込んでいるのか、陣営がどれまで坂井瑠星を評価しているか分かりませんが、人の和もこれでばっちり。そして2度騎乗し1勝3着1回の良績を残しながら、今月落馬事故で他界した藤岡康太も雲の上からマッドを見守ります。

おまけに展開の利もついてきています。高松宮記念を3着に逃げ残った香港馬、ビクターザウィナーの朱潤流オーナーは今回もハナを切らせる、と逃げ宣言をすれば、ドバイアルクオーツスプリントをレコードタイムで逃げきった香港馬カリフォルニアスパングルのアントニー・クルーズ調教師は枠順抽選会の席上、筆者に呟きました。
「スピードならこちらが数段上。ハナはカリフォルニアが貰う。譲るわけにはいかない!」

カリフォルニアスパングルは一昨年香港4歳三冠シリーズで香港クラシックマイル2着、クラシックカップ優勝、香港ダービー2着の準三冠馬。しかし、昨年秋から低迷。前々走のクイーンズシルバージュビリーカップで距離を1400mに詰めたところ快勝。前述のようにドバイでは初の1200mで堂々の海外遠征初勝利をあげたのです。
「スパングルの距離適性がようやく分かったんだ。ここはもう一丁、そして香港スプリント界の頂点に立たせて見せる」

クルーズ師の鼻息は荒さを増すばかり。あのサイレントウィットネスを育てた師の言葉だけに信用しない訳にはいきません。

香港2騎の激しい逃げ争いで重馬場ながらハイペースは必至。高松宮記念同様に3番手で控えるマッドクールには展開の絶対的有利が転がり込んでくるという寸法です。


世界最高のレベルと層の厚さを誇る香港スプリント陣営に穴を開けたのは香港スプリント連覇のロードカナロア、そしてカナロアの子ダノンスマッシュだけ。春のチェアマンズスプリントプライズは地元香港勢の金城湯池でした。この暑い壁に穴を開けられるのはマッドクールしかない、と断言できます。マッドクールの中国語馬名は「消暑楽祭」。連日の豪雨と消して祭りを楽しむ、とは今の香港の異常気象にピッタリではありませんか?
28日公開の甘粕代三予想にご期待下さい。


筆者とアントニー・クルーズ調教師

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