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東西精鋭記者がGⅠの勝ち馬をあぶりだす「俺のチェックポイント」。3日目は東京の内海裕介記者がウンブライルをクローズアップする。追い切りの動きを注視するとともに、課題の気性面について陣営を直撃した。
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追い切り日はウンブライルをとり上げる。◎にした昨年のNHKマイルCでは惜しい頭差2着。同じ舞台なら当然、目の離せない存在だろう。
まずは動きの確認だ。朝一番に美浦Wコースで3頭併せ。直線は内プレサージュリフト(OP)、外カーペンタリア(3勝)のプレッシャーを受ける形となったが、馬なりでしぶとく伸びて6ハロン85秒0-11秒3で両馬に併入した。1週前の1日(同7ハロン98秒4―11秒0)、5日(坂路4ハロン53秒3―11秒8)と、ここにきての負荷も十二分で調教評価は「A」だ。
続いて、陣営の感触をチェック。木村調教師は「1週前に全体的に大きく動かしているし、きょうもトラブルなくこられた」と合格点を与えたうえで、「(2走前の)東京新聞杯(9着)はうまくいかなかったが、前走は変化が見られた。進化した部分も感じられ、ホッとした」と表情を緩める。メンバー最速の上がり3ハロン32秒9で半馬身差2着まで詰め寄ったサンスポ杯阪神牝馬Sで改めて力を見直した、といったところか。
実は記者が気になったのも、前2戦のギャップだ。前走は直線で外からしっかり末脚を伸ばしたが、馬群の中央を運んだ2走前は本来の伸びがなくフィニッシュ。思えば、3歳春も類似した場面があった。NHKマイルCでは馬群の大外に持ち出してから猛然と伸びたものの、クイーンCでは馬群で伸びを欠き、6着に敗れている。
果たして今も、もまれると力を発揮できないのか? 4走前から着けているブリンカーを継続するかの判断も含め、トレーナーを直撃すると「若いときから周りの環境に注意深く慎重に歩みを進める性格で、もっと出ていけっていうときにブレーキがかかりやすい。今回、ブリンカーを装着するかはもう少し考えますが、着用することで周りに気を取られることが少なくなるところはある」との答えが返ってきた。
ブリンカー着用後は2着3回と安定感を増しているとはいえ、2走前のモロさを思えば、「馬混みどんとこい」と全幅の信頼を置きづらいのも確か。10日に決定する枠順も浮沈の鍵を握ることになりそうだ。(内海裕介)