フローラSは東京芝2000mで施行される3歳牝馬限定のG2。
オークスのトライアルレースで、2着までの馬に優先出走権が付与される。クラシック出走がかかるだけに、現在の施行条件となった2001年以降、最低でも14頭立てと頭数が揃いやすい。
また、一線級の馬の多くは桜花賞を経由するため、人気が割れやすく、過去10年のデータを見ると、1番人気は[1-2-0-7]と信頼度が低く、馬連平均10,863円と波乱傾向にある。今年もひと波乱あるのか。逃げ馬に注目しつつ、勝ち馬を探っていきたい。
逃げた馬の成績は[1-1-1-7]。直線の長い東京と考えると、案外頑張っている。馬券に絡んだ馬の内訳は、2019年9番人気3着ジョディー、2022年4番人気2着パーソナルハイ、2023年7番人気1着ゴールデンハインド。
いずれも開幕週の良好な馬場のなか、1000m通過60秒を越える緩い流れで逃げており、馬場と展開の利を得ている。2022年と2023年は中団より前にいた馬での決着となり、全体の脚質別成績でも、先行勢の好走率が高い。
▼脚質別成績
逃げ 10.0% 20.0% 30.0%
先行 7.9% 23.7% 31.6%
中団 5.6% 9.9% 18.3%
後方 4.0% 4.0% 4.0%
※数字は左から勝率・連対率・複勝率
一方、上がり最速馬の複勝率は41.2%と、やや低調な数字ながら、2016年~2019年に4連勝を挙げるなど、合計7頭が馬券に絡んでいる。イン前有利のバイアスを活かし前々から粘る馬と速い上がりを使う馬とで、好走傾向は二極化している。ただ、直近4年に限定すると、馬券内12頭中9頭が初角5番手以内と、前有利の印象が強い。
東京芝2000mのスタートは、1コーナー奥のポケットにあり、2コーナーまでは130mとかなり短い。ポジションを取りやすい内枠の馬が有利で、開幕週のフローラSでは特にその傾向が顕著に出ている。
連対馬20頭中15頭が1~4枠で、特に1枠の複勝率27.8%、2枠の35.0%は特筆すべき数字だろう。昨年も2着ソーダズリングは2枠2番、3着ブライトジュエリーは1枠1番、1着ゴールデンハインドは4枠7番でも、前述のとおり逃げている。
バックストレッチは緩みやすく、対象期間中1000m通過が60秒を切った年は2度しかない。ホームストレッチは525mと長いが、馬場に加えペースも前に向くと、末脚自慢も構えすぎると届かない。
前走逃げた馬は、エルフストラックとユキワリザクラの2頭。エルフストラックは、中山芝1800mのフラワーCを逃げ5着。スタート後に押しながらハナに立ち、道中もペースを緩めず、差し決着を演出しながら粘っている。溜めて良さが出るわけでもなく、この馬が引っ張るとそこそこ流れそう。一方の、ユキワリザクラは前走中山芝2000mの未勝利戦を、道中上手く息を入れて逃げ切った。
この2頭はともに今回乗り替わりで、週中まで鞍上が決まっていなかった。どう乗られるのか難しいが、ともに軽い芝で抜群に切れるタイプではないだろうし、逃げるなら締まったラップを踏みそう。イン有利の馬場とタイトな流れを想定して、狙い馬を絞りたい。
◎エルフストラック。7枠11番のユキワリザクラに対し、3枠4番と絶好枠を引き、この並びなら馬場の利を活かせそう。前走は外目の枠から、ハナまでに脚を使いながら僅差に粘っており、もうひと踏ん張りを期待。馬券は◎の単勝。バロネッサへの馬連・ワイド。