マーチSは中山ダート1800mで施行されるハンデ戦のG3。
G1・高松宮記念と同日に組まれるため、やや影の薄い印象があるかもしれない。だが振り返ってみると、臨戦過程にバラつきのあるハンデ戦らしく、度々波乱が起こっている点は要チェックだ。
過去10年2桁人気が7頭馬券に絡み、馬連の平均配当は7,301円。万馬券も3回なら、穴党にとっては腕の鳴るレースだろうか。今年もひと波乱に期待しつつ、過去10年のデータをみながら、勝ち馬を見極めたい。
逃げた馬の成績は[1-0-0-10]。好走は2016年8番人気1着ショウナンアポロンのみ。この年の1000m通過63秒3という数字は対象期間中では最も遅く、当馬は2枠4番かつ昇級戦でハンデも軽かった。
逃げた馬の平均人気は6.5番人気と、決して人気薄ばかりが逃げているわけではない。2019年4番人気16着ハイランドピーク、2022年5番人気13着アイオライトなど、道中ラップを落とせず、人気を大きく裏切るケースも多々見られる。とはいえ中山ダート1800mだけに、全体の脚質成績は前有利に出ている。
▼脚質別成績
逃げ 9.1% 9.1% 9.1%
先行 16.7% 30.6% 38.9%
中団 3.5% 8.8% 21.1%
後方 1.9% 1.9% 3.8%
※数字は左から勝率・連対率・複勝率
中団後方に控えた馬のワンツーとなった2013年と2014年は、多頭数に加え、逃げたい馬が複数いる組み合わせだった。一見すると好走馬の位置取りは様々だが、息の入りづらい流れの年には差し馬の台頭が多く、ペースとの連動性も垣間みえる。
中山ダート1800mのスタートは、スタンド前直線の入り口。1コーナーまでの距離は375m、3ハロンほど上りが続くため、形状的にはペースが上がりにくい。向こう正面を一気に下ると、ゴール前の急坂までは下りと平坦。直線は308mと短いため、逃げ・先行馬に向くレイアウトとなっている。
今年は差し馬に偏った組み合わせとなり、この並びならミトノオーが単騎で逃げられそう。3連勝中のダイシンピスケスが回避したのは大きい。ミトノオーはJDD3着から、古馬とのレースでは日本テレビ盃6着、浦和記念2着、名古屋グランプリ9着と、もうひとつの結果。ただ、唯一好走した浦和記念はかなり楽なラップを踏んでおり、再び楽逃げなら台頭の余地ありか。なにはともあれ、前有利の流れになりそうで、先行馬から狙いたい。
◎ウェルカムニュース。安定して先行できるのが最大の魅力で、先行力は重賞でも通用する。昨年の東海Sで4着、その後はオープンを6度走り、馬券内に3度絡んでいるが、いずれも好位を上手く立ち回っていた。展開利を見込めるうえに、明らかに格上といった存在もおらず、上位争いを期待できそう。馬券は◎の単複。ブライアンセンス、ミトノオーとの馬連。