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【ヴィクトリアマイル2024】キーホース診断 年明け2戦をどう見るか? 人気の一角マスクトディーヴァを掘り下げる

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【ヴィクトリアマイル2024】キーホース診断 年明け2戦をどう見るか? 人気の一角マスクトディーヴァを掘り下げる


マスクトディーヴァ

超絶レコードを叩き出したローズSの迫力と、絶対女王を脅かした秋華賞の豪脚。

昨年マスクトディーヴァが見せた大物感溢れる走りに、大きな期待を抱いた方も多いのではないだろうか。

筆者もその一人で、同期のリバティアイランドと共に、牝馬の枠を超えて日本競馬を引っ張っていく存在になるのではと思ったものだ。年明けからの2戦でいずれも1倍台の人気に推されたのも、そうした想いを持つ方が多いことの証明と言えるだろう。



しかしながら、ここ2戦の内容は果たして本当に”期待通り”だっただろうか?

こう問われると、「うーん?」と悩む方もまた多いのではないだろうか。

2走前の東京新聞杯ではゲートに突進したことで扉の開きが遅れるという不運があったし、前走の阪神牝馬Sでは人気に応えてきっちりと勝利を収めている。実績的にはケチを付けるようなところは少ないが、昨秋に見せていた胸のすくような強さは鳴りを潜め、少々地味なレース内容が続いている。

そんな状況下で挑むG1・ヴィクトリアマイル

今年は登録頭数も少なく、実績的にはドバイ帰りのナミュールが頭一つ抜けたメンバー構成だが、本馬の現在地はどの辺りにあるのだろうか。いつも通りに各要素から掘り下げていきたい。


まず指数面だが、年が明けてからの2戦はG1を狙うにはかなり物足りない数字に留まる。期待の大きさにレースレベルが追い付いていないのが現状なのだ。

とは言え、東京新聞杯は前述のゲートにおける不運があったと同時に、かなり内・先行有利な傾向が出ていた馬場で後方から大きく外を回る形。上位馬とはレース運びの部分で大きな差があった。休み明けで初のマイル、初の関東遠征だったということも踏まえると、全ての面においてロスが大きなレースだったのは間違いない。

続く阪神牝馬Sも、小頭数のスローペースでいかにも指数が伸びなさそうな展開。


メンバーがかなり手薄だったことを考えると着差的には物足りない内容だが、直線の走りを見ると、鞍上のモレイラ騎手の右手から手綱が落ちてしまい、コントロールを失ってかなり外へ張ってしまうシーンがあった。立て直してからはしっかりと走っていたが、この間ムチは一発も入っておらず、追うアクションもごくごく軽いものに映った。言うなれば、馬なりに近い状態のまま勝ち切っているのだ。

仮に手綱のアクシデントがなければもっと着差は開いていただろうし、当然指数も上がっていたはず。元々追って追って末脚の威力が増してくる馬でもあり、ここから一段、二段上くらいの走りをしてきても何ら不思議はなさそうだ。


これらを踏まえると、今年に入っての2戦はいずれも”不完全燃焼”だったと見ることができる。

再度東京のマイルに舞台を転じて、スムーズに、そして思い切り走った時、どれだけのパフォーマンスを発揮してくるだろうか。メンバーの中で本馬と同等以上の指数を記録しているのはナミュールスタニングローズくらいなので、理想の走りが叶えば馬券圏内はもちろん、勝ち負けに加わる可能性もかなり高いと言えそうだ。


ただ、血統的にマイルはやや距離不足に感じる。

2代母のビハインドザマスクは1200m~マイルで鋭い末脚を繰り出したスピードホースだったが、そこから母父ディープインパクト、父ルーラーシップと、比較的スタミナ豊かな血が重ねられたことによって、距離適性は長めに変化している印象が強い。

モーリス産駒の半兄トゥーフェイスは2600mでも馬券に絡めるスタミナを持っていたし、エイシンフラッシュ産駒の半姉ルイジアナママも、1800~2000mが主戦場だった。本馬も1800mのローズSや2000mの秋華賞における末脚が特に印象的なように、本質的には中長距離のほうが向いているように思えてならない。既にマイルで確固たる実績を残しているナミュールと比較すると、本質的な適性という点では少し差が出てくるかもしれない。


だが、調教面は極めて順調。


元々速い時計を出す馬ではなく、この中間も目に見えて好時計を刻んでいるわけではないが、坂路でもコースでも終いをしっかりとまとめる時計の出し方をしており、マイルG1を意識した仕上げを施されている印象を受ける。鞍上も引き続きモレイラ騎手とのことで、パートナーのレベルも申し分ない。

あとは、嫌な思い出の残る東京でどれだけ走れるか。確かな結果と、期待がさらに膨らむような豪脚一閃を期待したいところだ。

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