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後方を進んだ大野騎乗で11番人気のタイムトゥヘヴンが、直線で大外からまとめて差し切り。桜花賞馬の母キストゥヘヴンの子供では初の重賞制覇を成し遂げた。2着には12番人気のフォルコメンが入り、1番人気のダーリントンホールは3着だった。
サクラの季節に桜花賞馬のDNAが花開いた。2006年の桜花賞馬キストゥヘヴンを母に持つタイムトゥヘヴンが重賞初制覇。自身3年ぶりの重賞Vを飾った大野騎手が声を弾ませた。
「午前中から芝の傾向として外がよく伸びていたので、1回下げてから外を選択しました。うれしいです。久々に(重賞を)勝ててよかった」
互角のスタートを切ったものの、鞍上は迷わず後方に下げて末脚勝負にかけた。直線では花冷えの寒風を切り裂き、矢のような伸び脚を披露。フォルコメンと馬体をぶつけ合う激しい追い比べを制し、先頭でゴールに飛び込んだ。
母も手がけた戸田調教師は「お母さんもこの時期に活躍してくれたからね。普段はそんなに似ていると思わないけど、きょうの勝ちっぷりは(母が勝った08年)京成杯(AH)によく似ていた。すごく感慨深いです」と喜びひとしお。これまでの産駒は気性の激しさが出世の妨げになることも多かったが、ついに孝行息子が現れた。
次走は未定だが、「切れる脚を生かしてレベルの高い相手にも頑張ってもらいたい」と大野騎手。父、母ともマイルGⅠ馬の良血はさらなる大舞台へと駆け上がる。(漆山貴禎)
■タイムトゥヘヴン 父ロードカナロア、母キストゥヘヴン、母の父アドマイヤベガ。鹿毛の牡4歳。美浦・戸田博文厩舎所属。北海道日高町・オリオンファームの生産馬。馬主はDMMドリームクラブ㈱。戦績14戦2勝。獲得賞金1億116万9000円。重賞は初勝利。ダービー卿チャレンジTは戸田博文調教師、大野拓弥騎手ともに初勝利。馬名は「天国への時間。母名より連想」。